江口の政策〜容器包装プラスチックをコスパよくリサイクルしよう①〜
本日より3回に分けて
『容器包装プラスチックをコスパよくリサイクルしよう』
というテーマでお話ししていこうと思います。
自治体によって分別が違うプラスチックゴミ。
可燃として捨てて良い自治体もあれば、不燃分別が必要だが、
汚れていたら可燃ゴミとして捨てて良いとされていたり、
分別が非常に分かりづらい。
容器包装プラスチックを各家庭で分別・洗浄することが本当に環境に優しいのか、
平塚市におけるリサイクルの現状を調べ、市議会で提案しました。
プラスチックのリサイクル方法
そもそも、プラスチックのリサイクル方法にはどんなものがあるのか?
プラスチックのリサイクル方法は3種類あります。
①材料リサイクル【マテリアルリサクル】
廃プラスチックをプラスチックのまま原料にして新しい製品を作る方法。
ペットボトルを例にすると、下敷きや防草シートなどの製品に加工されます。
リサイクルと聞いて思い浮かぶのはこの方法だという方も多いのではないでしょうか。
②化学リサイクル【ケミカルリサクル】
廃プラスチックを化学的に分解し、
アンモニアや炭酸ガス、石油ガスなどに再生させる方法。
③エネルギー回収【サーマルリサイクル】
ゴミ焼却炉の廃熱で発電したり、温水化する方法。
廃熱がエネルギーとして回収されている。
この3種類のリサイクル方法により、
プラスチックゴミの87%が有効利用されています。
有効利用87%の内訳は以下の通りです。
①材料リサイクル【マテリアルリサクル】21%
②化学リサイクル【ケミカルリサクル】4%
③エネルギー回収【サーマルリサイクル】62%
(参考文献:プラ循環利用協会2021年マテリアルフロー図)
日本の廃プラリサイクルの問題点
3種類のリサイクル方法と有効利用の割合を見て、
材料リサイクルの割合が想像よりも少ないと思われませんでしたか?
なぜなのかといいますと、
廃プラが材種別になっていれば材料リサイクルが容易ですが、
混在していると再生樹脂パレット等にしかリサイクルできないのです。
日本では、廃プラ分別が手作業で行われているため多量の廃プラ分別は難しく、
また、数種類のプラスチックが混在しています。
収集・分別という最重要プロセスが自治体の責任になっているので、
集約化・機械化が進まず、コストダウンもできず、そして材種の分別が不十分
なためにリサイクルの結果として生産される商品が、元の商品と比べて低価値
なものとなっているのが現状です。
ドイツだと廃プラ分別のほとんどが機械化されています。
材料別に分離され、先進的な分別により量産処理されているのです。
これが可能な背景には、拡大生産責任者システム※1でリサイクル処理されて
いるからです。
(※1拡大生産者責任とは、生産者が製品の生産と使用段階における責任だけではなく、
廃棄やリサイクル段階までの責任を負う考え方。)
⇩平塚市リサイクルプラザ くるりんでの手選別の様子
⇩ドイツでのプラスチックリサイクルの様子
次回は、平塚市の容器包装プラスチックリサイクルの現状をお話ししていきます!