がんから命を守る健康教室

検診でがんは減らない
市議会ではほとんど毎回と言っていいほど「がん検診率アップを!」と主張する議員の質問がありますが、いくら検診率をあげてもがんは減りません。そう言うとおそらく、「検診すれば早期がんが発見できる」「早期なら治る」という反論があるでしょう。しかしこれは正しくありません。いくら早期発見でもいくら治療をしても、死ぬかもしれないし死なないかもしれない。これが現代医学の現時点での到達点です。「早期発見なら治る」は、言ってみれば検診業界を含むがん利権の誇大広告のようなものです。早期発見であっても抗がん剤治療後、再発して亡くなる方を何人見たことか。

治癒という概念そのものがない
何を隠そう、私も適切な治療をすればがんは治る、そう思っていました。手術し放射線をあて抗がん剤治療すれば治ると。風邪や怪我のように、病因を除けば治ると思い込んでいました。ところがそうじゃない。あれ?と最初に思ったのは、主治医の先生が、私の病状と抗がん剤投与の必要性を説明する際に「10年生存率」という言葉を使った時です。「生存率」とは何ぞや。なぜ医師は「治癒率」と言わないのか。私は治癒を目指して病院で治療をするんじゃなかったのか。話がすり替わっている、そう感じました。病院で提供するいわゆるがん治療の3大療法(手術、放射線、抗がん剤)には治癒という概念そのものがないのです。

命を守る健康教室
現在開会中の12月議会でも、がん検診率アップのための方策を求める同僚議員の質問がありました。これに対して、担当する部長答弁が非常に印象的でした。この部長答弁は、がん検診率アップをめざすことを前提にした上で、「同時に補完する施策も検討したい。命を守るためにがんを予防する。仮になっても鎮圧することが大事。そのためには食生活が大きい。栄養をきちんと採ろうという総論ではなく、お米ひとつとっても玄米食とか動物性タンパク質はひかえるとか。がん対策に有効な方法を健康教室などでPRしていきたい」というものでした。まさに「命を守る健康教室」です。これ、ぜひともすすめていただきたいです。がんは生活習慣病です。食事は大事です。がんになってから食事を変えるのでは本当は遅いのです。

●検診一辺倒の議論はもうやめるべき

仮に、検診してがんが分かったら、あなたはどうしますか。たぶん多くの方が私と同じように3大療法のフルコースを体験します。そうして当事者になってはじめてその限界に気づきます。いかに命を守るかを真剣に考えるならば、検診一辺倒の議論はもうやめるべきです。