トリプルネガティブ乳がんで良かった

11月27日付け神奈川新聞「トリプルネガティブ乳がん 臨床試験の資金公募 座間の女性協力『恩返し』」の記事を読んで、微妙な気分になる。当事者ってのはなかなか言葉にしにくい。気持ちがよくわかるだけに。ただ自分の体験もそろそろ話しても良いかもなと思った。

トリプルネガティブ乳がんっていうのは、効果があるとされる治療法が確立されていない乳がんのタイプです。私もだった。標準治療と呼ばれるものがない。ですが、再発予防のために術後しばらくは抗がん剤治療をしました。しかし、そもそも標準治療がないので、いくらか治療が進んだ段階で、医師から「あなたは次にどの抗がん剤を使いたいですか?」と聞かれました。

それを聴いて私は、この先生は正直ないい人だなあと思った。よくわかったんです。なかなか難しいんだなって。お医者さんには充分に良くしていただいた。ダメもとだ。ならば自分で治そう。開き直りました。

開き直れたのはトリプルネガティブ乳がんだったから。トリプルにネガティブで良かったと思った。どれか薬が使えたらすがり付いたと思う。この段階ですでに使っていた抗がん剤で身体はぼろぼろだったのですが、効果がある薬がまだあるとなったら、もっと頑張ってさらに使い続けたと思う。これは私の場合、癌で死ぬよりも早く薬の副作用でだめになってしまうところでした。

癌が分かる前から身体がだるかった。なんとかしようと思った。食べ過ぎをやめました。食べ物を変えました。眠り方も働き方も変えました。心のあり方こそ問題だと感じました。今もその途上にあります。

いろんな患者がいます。あれから丸10年経ちます。

抗がん剤治療をしていた2011年秋、36歳。治療しつつ体質改善をしていきました