ジェフ市原の元GM祖母井秀隆氏と老人ホームの挑戦
⬆三嶋鋳二さん(写真左側)と元ジェフ市原GM祖母井秀隆氏と。
⬆老人ホーム敷地内の木立のなかで。テントをはってキャンプの準備
⬆併設するデイサービスの施設から庭を望む。軽井沢のコテージみたい
⬆理事長三好敏弘さんとで。釣ったばかりの鮎を炭火で焼いた
⬆竹筒で炊いたご飯に大興奮。すごく美味しかった
⬆日が暮れたころ、子どもたちとキャンプファイヤーもしました
⬆老人ホーム建物から望む。グランドでは子どもたちがプール遊びしていた
●千葉県市原市に老人ホームを訪ねました。
8月1日~2日、千葉県市原市にある老人ホームを訪ねました。ここは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービスセンター地域包括支援センターなども(特別養護老人ホームトータス 介護老人保健施設クレイン デイサービスセンター鶴舞温泉げんき館)設置しています。全体の運営責任者は版画家でもある三好敏弘氏です。
●「快適な老人ホームがあるよ」 その一言を聞いて行ってきました
この施設へは、友人でみついの杜牧場(@神戸市)の三嶋鋳二さんから「快適な老人ホームがあるよ」と誘ってもらって行きました。快適な老人ホーム?!その一言にひかれて行きました。実際とても快適でした。老人ホームの建物は芝生のグランドと木立を囲むように配置されていました。木立の中には木道が敷設されています。木道を歩くとデイサービスセンター「鶴舞温泉げんき館」につながります。げんき館は木造平屋で大きなテラスつき。天然温泉が楽しめます。まるで軽井沢のコテージか山荘にいるみたいでした。
●老人ホーム敷地内で子どもキャンプ? 火起こしからトライ
私が訪ねたその日の午後からは子どもたちと老人ホーム敷地内の木立でキャンプが行われました。火起こしからはじめました。キャンプの仕掛人は、ジェフユナイテッド市原・千葉の元ゼネラルマネージャー祖母井秀隆(うがばいひでたか)氏です。祖母井さんはこの法人の企画部長もつとめています。彼はここで子ども向けスポーツクラブも主催しています。このスポーツクラブに通う子やスタッフの家族、近所の子どもたちがキャンプに参加していました。大にぎわいでした。たき火でカレーライスをつくりました。飯盒と竹筒でご飯を炊きました。キャンプファイヤーもしました。
●魂が帰ってこれる老人ホーム
キャンプの翌朝は施設を案内していただきました。高齢者施設によくある消毒臭がしない。回廊式の建物は広々しています。陽が差し込んで明るく気持ちがいい。三好理事長が食堂をのぞくと入居者の方たちが軽く手をあげて応えていました。ごく自然なやりとりでした。三好さんは「ここには家族のないお年寄りも多い。ここで亡くなる方も少なくない。魂が帰ってこれるそんな場所にしたい」と話しをしていました。ここなら魂も拠り所にするだろうなと思いました。建物の大きな窓からはビニールプールをはって遊ぶ子どもたちの姿が見えました。
●老人ホーム+子ども向けサービス これが快適さの秘訣
居心地がいい快適な老人ホームの秘訣は何なんだろう。ここでは老人ホームと子ども向けのサービスを組み合わせています。だからだと思う。 高齢者にサービスを提供する場ではなくて、子どもがイキイキと過ごせる場所になっています。子どもが遊びやスポーツを通して学ぶ場になっています。子どもは出来ることが少しずつ増える。お年寄りにも接する。学び広がりつながる場です。老人ホームなんだけど、実はそこが子どもたちの学びの場にもなっているのです。今後は祖母井さんのプロデュースで道場もつくるそうです。ここは単なる道場ではなく、介護施設で働く方たちが身体について学びこともできるそうです。働く人にとっても、子どもにとっても学びがある場は必ず快適な場所になります。理事長の三好さんと祖母井秀隆さんは二人三脚でそれを目指しているんだと感じました。
●サッカー界のスーパースターと老人ホームの挑戦は続く
老人ホームの仕事はふつうにやったって大変です。また、高齢者サービスの大枠は公の諸制度で何から何まで決められいるので、逆に言えばそれをやれば十分で、さらに上を目指す補助金取得上のメリットも薄い。利用者との関係でいえば一方的になりやすい。それを突破していく理事長の三好さんの行動力と創造力には脱帽です。祖母井秀隆さん、とても素敵な人でした。私はほとんどサッカーを知らないのでどれだけ有名な人なのかよく知りませんでしたが。たくさんの子どもを育てておられます。市原で知らない子はいないそうです。プロサッカーチームの枠にとらわれずに地域で子どもたちがイキイキと学ぶ場をつくっておられます。サッカー界のスーパースターとタックを組む老人ホームはさらに進化します。今後は一般向けの温泉施設やレストランもつくる予定だそうです。誰もがイキイキと過ごす快適な場づくり。目が離せませんね。