育休取ると保育園、退園 平塚市も
「育休取ると退園?新ルールに悲鳴 2人目以降産むと”退園”なんて…」とマスコミに取り上げられ波紋を呼んでいる所沢市。実は、平塚市も、もうずっと前から、そして今も、二人目のお子さんが生まれ育休を取得した場合、上の子が2歳以下の場合は保育園退園させないとならない。
平塚市は、保育園入園申し込みに際して、平塚市保育園入園に関する確認票の提出を求めている。 ぜひとも、この「確認票」とやらを見ていただきたい。これには、『育児休業を取得する場合、お子さんが2歳児以下のクラスに在園されてい ると要件終了時点で退園していただきます。』と書かれている。ご丁寧に、ペーパー右上に「(このことを)*内容を確認していただき、□にチェックしてください。」とまで書いているのだから、ひどいもんです。保育園に入りたければ「ご承知くださいね」と言わんばかりだ。
これは非常におかしなルールです。仮に、上の子が3歳児クラスの年齢だったら退園させなくてもいい。しかし、2歳児以下なら退園を迫られる。まったく意味がわからない。なぜそんなことをしているのか。少し前に、平塚市の担当者に問うたことがある。担当者いわく、「幼稚園なども3歳児から。3歳児からは集団保育が望ましいとされている。それより小さいお子さんは家でお母さんに見てもらったほうがいい、という判断だ」と答えていた。
しかし、つまるところ、こういうことなのだ。保育園入園希望者は多い。しかし相変わらず待機児童解消できずにいる。保育の受け皿が足りない。だから、「育休中は家で」というわけなのだ。政治の失策の言い訳に、「小さいうちはお子さんを家で…」などというのは、非常識も甚だしい。まったく時代に即していない。
実際、この「年齢制限」にひっかかったお母さんは、悲鳴をあげている。私も、困り果てたお母さんから電話をもらったことがある。お母さんは電話ごしで、「おかしい。あと数ヶ月遅く2人目を産んでいたら、上の子の保育園を辞めさせなくてもよかったのに、ということになる。子どもは授かりものなのに」と嘆いていた。おっしゃる通りだと思う。女性の就労支援や子育て支援を唱えておきながら、いったいどうなっているのだ、と怒っておられた。
もしかしたら、「育休なのだから家で見たらいい」という意見もあるかもしれない。百歩譲ってそうだとしても、育休終了後に必ず保育園に入園できる保障がない。また同じ園に復帰できる約束もない。市長は、「子育て世代にえらばれるまちになりたい」と言っているのだから、一刻も早く改善してもらいたい。これでは、選ばれるどころか、すでに暮らしている人が悲鳴をあげて出ていってしまう。