身体の声を聴く 家事編

突然ですが、私は、家事のなかでも掃除と洗濯が嫌いでした。その原因がようやく分かりました。掃除機と洗濯機の機械音が嫌いなんです。これに気付いたのは、抗がん剤の使いすぎで絶不調だった頃。夫が、体調不良の妻を気遣い、せっせと掃除機をかけてくれていたのですが、私は、「頼むから私がいない時にやってくれないか」と真顔で頼んでいました。(まぁ当然ですが、こうした訴えは、「家庭内騒動」に発展しますねぇ、、、はい。)

体調が悪いと、普段はあまり気にならないことも、くっきりとその輪郭が見えてきます。洗濯機と掃除機の音が聞こえると、ベッドに寝込んだ身体が余計にぐったりしました。身体は力をなくすと、その都度、不快感を症状にして訴えてきます。こうなると、だらりと力ない四肢を持て余した病人は、「あんたはいったい何が嫌なんだね?」と自分に問うことになります。そんな身体とのやり取りを繰り返してた末に、あ~、私は、あの音が好きじゃないんだ、だから掃除と洗濯が嫌いなんだ、ということを発見しました!元気な時はなんとなく掃除と洗濯は嫌いだと思っていただけでしたが。
大げさな話しに聞こえますが、この気づきが、我が家の「家事革命」につながりました。原因が分かればあとは対処あるのみ!「音が出ない」道具を導入しました。それが、これです。長柄箒⬇。ただの箒ではありません。

熟練職人の手造品、筑波の座敷箒です。ものすごく使いやすい。草がしっかりついていて床に落ちることがありません。幅広の穂先が床にぴったりとフィットします。草がびっちりついているので独特の弾力性があり、これが掃くたびに身体にかえってきて、なんとも心地良い。何しろ、音がしないので、早朝だろうが深夜だろうが掃除できます。ちなみに、私は、ちりとりは使いません。部屋の端から掃き出して最後に玄関に埃をため、たまった埃を小さく切って濡らしたウエスでかき集めます。掃く時に屈むのが嫌なので、佐一郎長柄(五つ玉)というのを買いました。8000円也。高価な買い物でしたが大満足です。一日に2回、1回につき5分ずつくらいかけて、ちょこちょこ掃除しています。
次に導入したのが、洗濯板です⬇

これは、茅ヶ崎にあるおしゃれな雑貨屋さん「サポネリア」のオリジナル商品です。1200円くらいだったかな。この洗濯板も、当然ですが、音が出ません。すべての洗濯物を洗濯板でやるのはつらいので、ちょっと汚れたきたかなと思うものを、洗濯板で洗います。そしたら!あなた!これは驚きです。洗濯機で洗って奇麗にしていたつもりのモノでも、汚れが出る出る!達成感があります。楽しい♩、です。
音が出ないものにしたいというただその一念で、悩んだ末?に、行き着いたのが、あまりに良く知られた古式ゆかしい日本の道具たちでした。使い始めて分かったことでしたが、箒も洗濯板も、何がすばらしいって、その「達成感」がたまらない。これは掃除機や洗濯機にはない喜びです。箒でかき集めた埃を見、板でしごいて汚れた水を見ては、「ほ~!きれいになったわ~」とひとり達成感に酔いしれています。お試しあれ。