国の生活保護削減の余波 教育現場にもじわり
●国の生活保護費の削減
8月、国は生活保護費のうち食費や光熱水費に充てる「生活扶助」の基準額を引き下げました。生活保護費の引き下げは、単にそれだけにはとどまりません。保育料免除や就学援助制度などは、生活扶助の基準額を参考に対象を決めていますので、連動して縮小されることが心配されています。
●削減影響 教育現場にもじわり
「就学援助制度」は、学用品や修学旅行、給食費用などが申請によって支給され、経済的な問題で授業に参加できない子どもが出たりすることがないよう、学びの機会均等を図ることを目的にしているものです。本来、義務教育は無償であるべきです。ところが実際は、決められた学習カリキュラムをこなすためには、リコーダーやら習字道具やらと次々と自己負担することが必要で、それがないと授業に参加できないわけです。子どもたちの学びの機会均等をきちんと確保しようとするならば、所得制限つきのこの修学援助制度(※印参照)も十分だとは言えませんが、生活保護費の引き下げの影響が教育現場にまで及ぶことはあってはならないと考えています。
●平塚市教育長 「(現行制度の支給レベルとボリュームを)維持したい」
そのため、先の6月市議会定例会でこのことについて取り上げ、来年度以降の方針を問うたところ、「(平塚市の現行制度の支給レベルとボリュームを)維持していきたい」という教育長の答弁を得ることができました。教育長の力強い議会でのこの発言をうけて私は、市長に対して十分な予算措置をするよう求めました。今後も引き続き推移を見守り、制度が縮小されることがないように訴えていきたいと思います。
※ 平塚市の就学援助制度を利用できる年収のめやす
(年齢によって多少異なります 平成25年度)
例:4人世帯【父、母、子(小学生)、子(中学生)】
前年収入 412万2576円 (家賃支払いのある場合)
315万3816円 (持ち家の場合)