東京大学教授・安冨歩氏の授業で対談しました
●安冨本は、がん患者必読書だ!
2013/04/18に、『原発危機と「東大話法」』の東京大学東洋文化研究所教授・安冨歩氏(経済学博士)のインターネット授業の後半で、対談させていただきました。安冨歩先生の本は、「がん患者必読書だ!」とツイッターでつぶやいたのがご縁で、呼んでいただきました。
安冨氏は、人間の心のいびつさに遠慮なく切り込んできます。自身の心にも切り込んでいきます。まず、私は、安冨先生のこの切り込むパワーと勇気に感動しました。
もちろん、経済学者・安冨氏は、それだけでとどまりません。心のいびつさにきちんと向き合い、客観的な検証の膨大な集積は、世の中を変化させていくと主張しています。その前提となっているのが、原理的に変化させることができるのは自分自身だけだという認識です。自分の経験やその後の変化が、社会にフィードバックされたとき、社会変革につながる、と言います。私は、安冨先生のこの「フィードバック論」にワクワクしました。
そこで、私は、自分がなぜがんをつくったのか、それを手放すにはどうしたらいいかを考えるようになりました。心のいびつさに向き合うのは、イヤな作業で、無理をすると体調まで悪くなります。ですが、私の場合、まさに命懸け(笑)です。内に向くこうした時間は、無駄なんじゃないかと思うこともありましたが、安冨氏の「フィードバック論」に力を得て、いびつさに向き合う決心をしました。がんを手放し生き延びるために、生存可能な社会にしていくために。安冨本は、がん患者必読書だと思います。もっと言うと、現代人必読書だわね。
ま、そんな感じのことを思っていたのですが、いざ、人前で話すというのは、むずかしい。うまく伝えることができてはいませんが、4/18の対談を見てみてください。IWJで、非会員でもしばらくの間、見れます。
↑ 安冨本 がん患者必読書
●「議員としてやってきたこと、間違っていたのでは」発言に
この対談を、会場の東大まで友人たちが見に来てくれました。選挙に初挑戦した時から一緒にいてくれる友人、その友人の中1の娘、近所に住む高校の同級生と小2の娘も、見に来てくれたので、超アットホーム?な東大の教室になりました(笑)。後日、あの晩は一足先に帰った友人たちと会う機会があって、「江口さんが、゛私は間違っていた゜、と言ったのを聞いて驚いた。驚いたあと涙が出た。進化しているねぇ」と感想をくれました。
私は、この友人の言葉に驚きました。この人は、これまでの3回の私の選挙を必死になって応援してくれた人です。選挙だけでなく、よちよち歩きだった市議会議員としての活動を一緒に歩んできてくれました。なので、いくら死に直面したとはいえ、言ってみれば、勝手にがんをつくった人間が病床から起き上がってきたとたんに、「議員としてやってきたことは間違っていたのではないか」と公言するのを見て、普通なら愛想つかしてもおかしくないところだと思う。
それなのに、「涙が出たよ~。進化しているんだね~」と言う。これを聞いて、そうだね~と笑顔で同意する友人もいて。こんなふうにしなやかで強い人たちに出会えたことに深く感謝したいと思いました。すごい人たちだ。
●経済学は生きるためのよすが
講義の前半は、安冨先生の著書『経済学の船出』『合理的な神秘主義』をベースにした、経済学概論基礎編という感じの授業でした。
これまで私は、経済学の勉強を何度か試みたことがあるのですが、さっぱり興味を持てずにいました。ですが、安冨先生の授業は、すごく面白かった。面白いだけでなく、個人的には、なぜ私が経済学にさっぱり興味が持てなかったのかも分かりました。そこに、「私」がいない感じがしてたからだ!
【一億人の人間がのたうちまわる複雑さの一部を 取り出してて、定義して、それを経済学と呼んだりするのはおかしい、そこには、「私」が抜けている】という指摘から始まった前半の授業。
【「私」も一員である複雑な世界は、それぞれの人が持っている身体の計算力《創発的計算》が発揮されるから、私たちは明日も生きていけるんだ】という安冨先生の話しに、勇気をもらいました。安冨先生は、みんなが生きるためのよすがにしようとしているんだな、経済学を。
↑安冨先生講義会場、東大の東洋文化研究所。東大生でなくても安冨授業は、教室で講義聞けるらしい。
●IWJ会員/年1万円は、マジでお得
この講義をネット中継してくれている、インディペンデント・ウェブ・ジャーナル(略称:IWJ)は、ジャーナリスト岩上安身が設立したインターネット報道メディアです。ものすごいコンテンツ量です。編集一切なしで、どれもそのママを私たちに伝えてくれます。考えるのは、私自身です。テレビや新聞はどれも、切り取って編集して報じています。だから、どうしても自分で考えるのが難しい。そこへいくと、IWJは、違います。自分の頭が鍛えられます。
今回の対談で、IWJの素敵な女性記者さん(カメラマンも全部こなす)と知り合いましたが、IWJの方は、ぜったいに人におごられたりしないんです。たとえ、それが庶民的なインドカレーでも!さりげなくおごりを断っていたIWJの方に、ジャーナリスト魂を見ました。小さな肩に、超重い撮影器具一式をしょって、どこへでも電車で移動。深夜まで働き、早朝稼働開始。この姿を見たら、入会だけでなく、カンパしたなるはず。年会費は年1万円。まずは、会員に!ぜったい損はしない。東大生でもないのに、東大の授業がいつでも見れるわけだしね。
そうそう、私の【乳がん~完治への道~】を、ツイッターでメモ的に書き綴ってます。ツイッターで書いたものを少しまとめて、このブログでも掲載してみたいと思います。