来年度の平塚市一般会計予算に反対しました

今日が、平塚市議会定例会の最終日でした。この一ヶ月の間は、朝から晩まで予算書を持ち歩いていました。私はだいたいかなり早起きなので時間があります。で、起きたらすぐに予算書を開けるように枕元に置いておいて、読む→不明な点を市役所の担当者に話しを聞きにいく、この繰り返しを毎日やってました。予算書にはなんだか愛着が湧いてくるほど。↓

●財政難に大規模再開発事業
そんな感じでひと月過ごし、さんざん悩んだ末に、今日の市議会定例会最終日、来年度の平塚市一般会計予算に反対をしました。来年度予算にはツインシティ整備事業と見附台周辺地区整備事業の本格稼働にむけた準備経費が盛り込まれています。私はこれら2つの大規模開発事業内容もさることながら、どちらの事業も総事業費の上限が不明なまますすめていくというやり方をどうしても容認できないので反対をしました。
●ツインシティ整備事業 本格稼働へ
まず、ツインシティ整備事業についてですが、来年度、この事業には、5100万円が予算化されています。5,100万円のうちそのほとんどが、都市計画決定するための事務の委託料だということでした。予定どおりにすすめば、来年度末には、土地区画整理組合設立認可もとり、市街化調整区域から市街化区域に変更されます。
●新幹線新駅誘致は脇において面整備だけがすすむのでは
そもそも、ツインシティって何?という方が平塚にお住まいの方でも多いと思います。お隣り寒川町に新幹線新駅を誘致して、新しく橋を相模川にかけて、川をはさんだ二つの地域で新たな街をつくろう!という壮大な開発事業です。「ツインシティ(双子の街)」は、新幹線新駅の受け皿となる街なのだそうです。神奈川県東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会のHPに詳しいです。

↑神奈川県東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会のHPより
新幹線新駅なんて本当にできるのか?大いに疑問です。しかし県や市は、「リニア中央新幹線開業後はダイヤの過密度が緩和されるので新駅設置の余地が高まる」としています。ただ、実際は、駅や新しい橋の建設のめどなど全く立っていません。なので、このまますすめていくとおそらく、橋や駅を脇に置いたまま、計画地内の道路や下水道整備には多額の税を投入して、面整備だけがすすむと予想されます。


↑県ホームページより
●走りながら考える開発手法はまずい
市街化区域にする都市計画決定など重要な決定をしていけば、あとに引くに引けない状況ができます。既成事実化して、後から総事業費が見えてくる手法ですすめようとしているので、とてもわかりにくく、事業費が膨らみやすいと言えます。

●その効果もあやしい 企業や居住者が増えるだろうか
新幹線新駅がなく橋もない単なる土地区画整理事業をすすめることになれば、既存の市街化区域の土地利用ですら十分になされていないなかにあって、当該地域に企業誘致や居住者の増加など見込めるものか、これまた疑問です。加えて、以前のような土地価値の増大が見込めない社会・経済状況下で、土地区画整理事業をすすめることは高いリスクを伴います。地権者に重い負担を負わせることにもなりかねません。
●見附台周辺地区の再開発も事業費上限額は不明
同様のことは、見附台周辺地区整備事業についても言えます。来年度平塚市は、総事業費の上限額も決めず整備方針が曖昧なまま、1,000万円の税を投じて民間の調査会社におすすめ再開発プランをつくってもらおうとしています。 一年後の来年度末にはおすすめプランが出てくるようですが、その手前に判断基準を持ち合わせていないので、市としてプランの精査をしようにもできないでしょう。結果として、市民の貴重な財産である公共用地の再開発事業を民間業者に丸投げすることになってしまいます。私はこの点が非常に大きな問題だと考えています。加えて、仮に、PFI事業ですすめることになれば、見附町の警察署跡地や向かい側にある錦町駐車場の公共用地の利用方法について、住民の意見や要望が反映される余地は制度的に担保できません。業者丸投げ住民不在で、見附台周辺地区整備事業をすすめるべきではないと考えます。
2つの大規模開発事業は、そのすすめ方の問題ゆえに、今後長期間にわたって市政運営に大きな影響を及ぼすことになるのではないかと懸念していますので、平成25年平塚市一般会計予算案に反対をしました。