復興増税で市民税年間500円アップ案 市議会に
↑気づいたら駅ビルラスカにクリスマスイルミネーションが飾ってあった。
●復興増税法を受けて、住民税値上げ条例を12月市議会に提案
さて今日は、復興増税の話。昨年国は、復興増税のひとつとして、全国の市町村と都道府県に対して住民税値上げを求める(強要する!)法律をつくっています。これを受けて、全国の市町村と都道府県が住民税値上げの条例改正をしてきています。平塚市でも、今月28日からスタートする市議会定例会に市民税を年間500円アップする条例改正案が提案される予定です。昨年決まった復興増税、いったいなんだったっけ?となんだか忘れがちですよね。以下に東京新聞の引用から。
●復興増税、中身は? (2012年6月6日 東京新聞 TOKYO Webから)
衆院社会保障と税一体改革特別委員会で五日、安住淳財務相が「所得税引き上げが(今後)二十五年間続く」と答弁する場面があった。今は消費税率引き上げの是非に注目が集まるが、東日本大震災の復興費用としてさまざまな増税が昨年決まったことは忘れがちだ。あらためて復興増税の中身を整理した。 (石川智規)
Q 復興増税はどうして導入されたの。 A 政府は震災復興に必要な費用を当初五年間で少なくとも約十九兆円かかると見積もっている。このうち約十兆を増税でまかなうことにし、昨年十一月に復興財源確保法を成立させて臨時増税を決めたんだ。
Q 増税の中身は。 A まずは所得税。来年一月から二十五年間にわたり、納税額に2・1%を上乗せする。財務省の試算では、夫と専業主婦、子ども二人の四人家族の場合、年収五百万円なら年間増税額は千六百円となる。
Q ほかには。 A 一定の収入がある人が払う個人住民税も対象だ。こちらは年収に関係なく一律で年間千円が増税される。二〇一四年六月から十年間の増税となる。法人税は一二年四月からいったん約5%減税し、三年間だけ税率を約10%引き上げる。
Q 増税期間は所得税が二十五年、住民税が十年。ずいぶんと長いね。 A これだけ長い期間の増税は気がめいるし、将来的には本当に復興費用に使われているのかという疑問が出るかもしれない。 政府は「復興費用を現役世代で負担し、将来にツケを回さないため」と説明する。たしかに、復興にかかる費用は原発事故に伴う除染費用なども含んでおり膨大だ。しかし、四半世紀も続く増税に慣れてしまうのは好ましくない。政府がきっちり復興に使っているか、常にチェックを続けたい。(引用終わり)
●使い途不明のまま 増税ありき
仮に、この値上げ条例案が市議会で可決成立すれば、平成26年4月から10年間、年収100万円以上の人が一律に年間500円市民税アップします。すでに、神奈川県では、今年2月に議会全会一致で改正条例案が可決成立していますから、県民税として年間500円アップ、これに市民税増税分の500円が加わり、合計で年間1,000円の住民税のアップになります。
市民税を年間500円アップしたことによって平塚市に入る税額は、年間約6,000万円です。この年間6,000万円の増税分。何に使うのだろうか。おそろしいことに何にお金を使うんですか?と市役所担当者に聞いても、具体的にはまだ決まっていないんです。
一応、市は、増税分の使い途として、311以前から地震対策としてやることが決定していた防災関連事業(消防無線のデジタル化、各地域の防災備蓄の拡充、公共施設の耐震化)をあげています。ですが、そもそも平塚市は、地震警戒エリアの街で、これらの市の防災関連事業は、東北大震災があってもなくてもやらないといけない計画済みのもの。わざわざ増税までする理由にはならない。つまり増税ありき、なのです。これでは、増税したはいいがいったい何にお金を使ったのか、さっぱりわからないということになってしまう。
●そもそも復興のための住民税増税じゃない
そもそも、「復興増税」と聞いたら多くの人が、東北大震災の被災地の支援のための増税だと思うんじゃないかと思います。国で議論をしているころは私もそう思っていた。でもそうじゃないんです。被災地以外の全国の自治体に値上げを強要し、それぞれの自治体が国が示した枠組みのなかで後付けのように使途を考える。目的なしの単なる増税です。だいたい住民税の増税をなんで国が強要するんでしょう。まったく理解できない。
●メモ:住民税の仕組み
「鎌倉は税金が高い」とか「平塚は競輪があるから税金がやすい」とかたまに聞くことがありますが、そんなことはないのです。住民税の標準税率は全国ほぼ一律です。均等割と所得割の2段組で算出されます。均等割とは、年収100万円以上ある人みなが一律にはらうお金で、これが全国どこでもだいたい3,000円/年。所得割は、前年度所得に応じて計算されます。住民税の均等割分3,000円/年を、値上げしているのは北海道夕張市(均等割3500円)と横浜市(均等割3900円)のみです。一方値下げしているのは名古屋市(均等割2,800円、所得割5.7%)だけです。