巨大生ごみ処理施設29年度開始予定 補助金出して生ごみ集め
23年度の決算審議報告続き。今日は、このうち建設予定の巨大生ごみ処理施設(厨芥類資源化施設と呼んでいる)に関する質疑の要旨をここにメモ。( )書きは江口補足。
江口:1市2町(平塚市、大磯町、二宮町)ゴミ処理広域化計画を23年度にまとめている。このなかで、厨芥類資源化施設をつくることになっているが、どのようなタイプのものを、いつ、どこにつくろうとしているのか。建設費、ランニングコストはいくらかかるのか?
市担当者:生ごみを堆肥化するタイプよりもメタン化処理方式(生ごみを発酵させメタンガスをつくる。ガスでは使い物にならないので発電機をつけ発電させる)が有効だと考えている。平成29年度供用開始、大磯町に建設予定。建設費は11億円以上かかる見込み。
江口:平塚市の場合は、市民のうち約3万人分の生ごみを厨芥類資源化施設に運び込むことにしている。この3万人・約1万世帯をどうやって選ぼうとしているのか?また生ごみ分別してくれる3万人には、経済的インセンティブをつけることを市は考えているということだが、経済的インセンティブとは何か?
市:(3万人の)選定は自治会単位でお願いする。(生ゴミ分別してくれる自治会には)指定袋代を無料にすることを考えている。
江口:1市1町ごみ処理広域化計画(平塚市と大磯町の2自治体での広域処理計画。その後、二宮町は広域化計画に復帰した)では、市内の旭地区3万人の生ごみを集めることになっていたが、なぜ対象を全市に拡げ対象エリアの変更をしたのか?経済的インセンティブをつけないと生ゴミを集められないと市は考えているのか?厨芥類資源化施設で発電するようだが売電は可能か?発電量はどのくらいか?
市:全地区を対象にしたほうがより生ごみを集めやすい。経済的インセンティブをつけて生ごみを集めたいと考えている。発電量は計画段階では出していない。売電は難しい。
江口:施設タイプは違うが、PFI手法によって整備された藤沢市の堆肥化施設が悪臭と将来的な経営破綻の可能性により事業中止になったという報道があった。この報道をうけて、広域化推進会議ではどのような検討がなされたか?
市:藤沢の施設以外にも資源化施設の例はある。最善の方法を検討したい。
↑2012年9/5付 神奈川新聞 「藤沢市の堆肥化施設 事業中止、閉鎖へ」
●以下に毎日新聞記事もコピー 2012年09年06月地方版
藤沢市:堆肥化施設の事業中止表明 経営好転見込めず /神奈川
民間資金を活用するPFI方式で建設された全国唯一の堆肥(たいひ)化施設「藤沢市有機質資源再生センター」を巡り、藤沢市は5日、市議会全員協議会で事業中止を表明した。経営状況の好転が見込めず、臭気対策に多額の費用がかかるのを理由としている。市は遅くても14年度中に閉鎖する方針。
家畜ふんなどの堆肥化による資源循環を目指して06年12月に稼働。造園会社や畜産農家11軒で構成する特別目的会社(SPC)が運営してきた。
市によると、月平均500万円以上の赤字が出ていた上、悪臭により県から改善勧告を受け今月3日まで約1カ月の稼働停止も余儀なくされた。今年度中の債務超過が決定的で、脱臭プラント設置には地盤が軟弱なため想定を大幅に上回る費用が必要と判明した。
21年までのPFI事業期間中に中止すると、市は国・県に補助金を返還しなければならず、今年度中に返還する場合は試算で計3億2000万円。さらに建物撤去に4億円かかるなど、市の負担は少なくとも総額12億円超に上る見通し。