滋賀県米原市 「認定こども園」事業を見学に行きました

10/25(月) 10月13日~14日までの視察報告です

10月14日は、滋賀県米原市が、幼稚園と保育園の統合事業
「認定こども園」化を積極的にすすめているので、平塚市議会の教育民生常任委員会のメンバーで、その様子を見にいきました。

↑ 米原市役所から眺めた風景 瓦屋根の家が多かった。新しい感じの戸建住宅も屋根は瓦ぶきだったり。
●2度の合併 米原市  世界一の積雪量
旧坂田群の4町が合併し、2005年に今の米原市になった。2度、合併していまの市域になっている、とのことでした。滋賀県の東北部にあります。250平方キロメートルのとても大きな市域に(平塚市の面積は約68平方キロメートル)。高齢化率24パーセント。4人に一人が高齢者のまちです。
米原市には標高1700メートルの伊吹山があります。ここは雪のとても多いまち。一日で11メートル80センチの積雪があったこともあって、これは観測史上、世界で最大の積雪量を誇ります。これは、まだ、破られていないそうです。

●「認定こども園」をすすめるまでに じっくり検討
米原市では、施設の統廃合にあわせて、施設の統廃合をしながら、幼稚園と保育園とが一体になった「認定こども園化」をすすめています。「認定こども園」というのは、保育園と幼稚園の機能の両方を持つもので、親が働いている・いないにかかわらず利用できる施設のことです。米原市では、2010年4月から「こども元気局」をつくり、幼稚園と保育園の事務の窓口を一つにしています。


米原市では、2005年の最初の町の合併以降、幼稚園と保育園の統合について検討会をスタートさせました。検討会では、まず、こどもを育てる今の環境は大変だ、ということを改めて確認したうえで、子育てに関する相談窓口の機能をプラスすることや保育料の見直しを検討してきています。


この検討会では、総合的に保育と幼児教育と子育て支援が市民の方たちに提供できるのであれば、かならずしも一元化する必要はないのではないかという結果に至ったそうですが、そのうえで、必要なところについては、
幼稚園と保育園の建物を統合して、
「認定こども園」にしていっています。
認定こども園になったところは、学校給食をつくる給食センターから昼食を運ぶようにしている、ということでした。

↑ 「いぶき保育園」と「いぶき幼稚園」が統合された「いぶき認定こども園」
に見学に行きました。


↑ すばらしい施設でした。

↑奥に見えるのが伊吹山です。
●幼稚園と保育園を統合して「認定こども園」にするメリットは
担当の方のお話しを聞いて、そのメリットは3点あるように思いました。
①幼稚園から保育園に変える場合もあるが、そんなときも心配なし。親後さんは、役所に行って事務手続きをするだけ。もちろん、子どもはこれまでどうり「認定こども園」に通い、午後2時以降保育もしている「長時部」に入り、保育園としてのサービスを受ける(親が働いていないお子さんは午後2時まで)ようになる、という仕組みになっている。夏休み中だけ「長時部」に入る子も多いそうです。
②地域によっては、少子化がすすんでいる幼稚園・保育園もあったが、統合によってこどもの人数が増えたこと。
③市としては、施設の統廃合をすすめたことで維持管理経費が減ったこと。

●保育感の違い

同僚議員が、「苦労されたのでは?」と質問したのに対して、担当の方は、「幼稚園と保育園の先生は、保育感が違う。
幼稚園は学級の概念が強い。保育園は、ローテーションで0才児からみている。また保育園は親御さんの家庭環境をも考慮していこうという意識が強い。」
幼稚園にとっては、こどもが帰る時間がそれぞれ違う(親の働いていない子は午後2時まで 働いている子は夕方まで)なんていうことは考えられなかったので、そうしたことも戸惑ったとも。


●市長と教育長が連携が不可欠
また、市としては、事務作業が煩雑なのが大変だ!とのことでした。幼稚園を所管する文科省と保育園を所管する厚生省とでは、料金の徴収方法など事務が異なる。たとえば、インフルエンザ対策にしても、文科省と厚生省では、指導が違う。苦労が多いとのことでした。市長と教育長の強い連携が不可欠で、「国もひとつの省でやってもらいたい。」と担当の方は話していました。
米原市では、2010年から新設した「こども元気局」のなかで、教育委員会部局と市長部局とにわけて事務を行い、しかし同じフロアーで仕事をすることで、国の構造的な縦割りの仕組みを補いつつやっているそうです。
●平塚市では
市内では、「認定こども園」の取り組みは、一部で行われていますが、まだまだ拡がってきてはいません。今後、国の新たな動向を受けて、平塚市として、こどもたちの育つ環境をどうつくるか、考えていかないといけない。