社会福祉法人「工房絵」取材
2/18
予算説明会
今日、予算の説明会がありました。3月末までは予算審議のための準備に集中してやっていきたいと思っています。議会の発言通告まであと数日しかないので、予算書を読んで分からないところは市の担当の方にどんどんと話を聞いていきたいと思います。12月議会が終わってからいままで外回り(取材や講演会に参加)が多かったんですが、ここで少し切り替えをしたいと思います。せっかくお誘いいただいた会合や勉強会に参加できないということもあろうかと思うのですが・・・。
2/17
社会福祉法人「工房絵」取材、予算勉強会開催
「工房絵(こうぼうかい)」に取材に行ってきました。場所がもと大塚家具の近くです。私は、工房絵を学生の頃から知っていてあんまり有名だから、それが平塚にあると聞いたときはびっくりしました。もう大分前から行きたいと思っていたところでした。
施設長の関根さんから聞いた話はとても大切だし、面白いと思うのでみなさんにお伝えしたいと思います。話しが前後しますが、私は先日神戸のプロップステーションに行ってきたばかりで、プロップの勢いというかな、「障害者を納税者に!」というパンチあるスローガンが頭から離れなくなっていたんですよ。少し力んでたというと大げさかな、でもそんな感じでした。そこへ来て、今度は「工房絵」。また1つ違う方向性の福祉の新しいビジョンを見せていただいたような気がします。
工房絵は今から12年前に設立されています。関根さんはじめスタッフの方のコンセプトは、「障害者が夢を持ち、悩みを持つことができるように支援しよう!」というものです。障害を持った人の多くが養護学校を卒業すると、当たり前のように作業所や授産施設に入ります。将来何になりたいのか、自分は一体何にむいているのか、そういことを考えたり悩んだりすることがない。ないというよりも許されていないんです。
関根さんの言葉を引用すると一番分かりやすいと思うのでそのままお伝えすると、「君は何がしたいの?と聞くと親御さんに怒られた。どうせ夢をもっても挫折するだけだからそんなことを言わないでって。健常者は浪人も含めて4.5年のモラトリアムを持つことができる。でも、障害のある人はそれが全く許されない。18歳という一番多感で夢多き時期だというのに。だから僕たちは障害者にもモラトリアムを保障しようと思った。」
工房絵は、企業からの委託の手仕事などを準備しつつ、やりたいことがある利用者さんには自由にやってもらう、基本的には何をしてもOKというスタイルをとってきています。たまたま絵を描きたいという利用者さんが多くいたから、いまのようなスタイルになっているんです。工房絵の利用者さんが作る作品はどれもかっこいいんです。こういう絵が描けたらどんなにいいだろうなーと私は思います。
なかには何十万という値段がつく人もいるんです。先日の日記で「juice」というお店で工房絵のアクセサリーを販売していることを書きましたが、ほかにも原画を使った絵葉書などのグッズの販売を行っていて、取り扱い店は20を数えるまでになっています。
工房絵の建物のなかは、いたるところに画材が置かれていて、自由に作品をつくることができるゆったりとした時間が流れていました。絵を描く人のとなりでソファーに横になる人、のんびりと座っている人、ホントにさまざまに時間を過ごしていました。現在、利用者さんは全施設あわせて50人、職員は全施設あわせて22人、県と国からの補助金で運営されています。
2/16
議会運営委員会、各派代表者会議、大神環境衛生センター・し尿処理施設・粗大ゴミ破砕処理場見学
今日は、昨年の統一地方選挙で初めて議員になった「1期生」の議員の方(新人議員は13人います)と一緒に、ゴミ焼却処理施設などを見学に行きました。大神の環境衛生センターには、燃せるゴミが運ばれます。ここにある3つの炉が24時間、ほぼ年中無休で動いていて、25万5千人の市民が生み出すゴミを燃やし続けています。高さ15メートル、奥行きが25メートルくらいある巨大なゴミ置き場に、文字どおり山のようにゴミが積まれていました(写真 見にくくてすみません)。
これが、今日回収した分だけだというから驚いてしまいます。毎日、平塚市内だけで平均250トンのゴミが出るということでした。ここで燃されて出る灰は、土屋にある遠藤原最終処分場に運ばれていくんです。ゴミは灰になっても霧のようになってなくなるわけじゃないから、どんどんと増え続けていくんですよね。
こんなこと、言われなくても分かっているといわれてしまいそうですが、あのゴミの山を見ると、やっぱり恐ろしくなります。ゴミは大変な問題だ!
2/15 ピースウォーク参加、事務所にて3月議会の打ち合わせ
市内のゴミ処理業者の方とお会いしてお話を伺ってきました。そのなかで、12月議会の廃棄物処理にかかる料金の値上げの議案の話しが出ました。具体的には、 1キロにつき20円のところが22円に値上がりしています。お話を伺った業者の方は、この議案の決定について、こういうふうにおっしゃたんです。
「この値上げを知らせる公文書が2月に出ている。普通、企業は前年の11月に予算をたてるので、こんな時期に公文書が出てもいまさら予算化できない。値上げを決める時期が遅すぎるんじゃないか」と。
私は12月議会でこの議案について、あまり迷うことなく賛成をしました。近隣の自治体にあわせての値上げは妥当なんじゃないかと考えたんです。議会全体のなかでは共産党が反対をしていました。あとはみな賛成でした。
私は、「値上げ決定するのがこの時期でいいのか、今決定することが企業にどのような影響が出るのか」などということには考えも及びませんでした。改めて、1つの議案に対する賛否を出すことの責任の重さと難しさを感じました。
午後からは、ピースウォーク。晴れてよかった!200人くらいの方が集まってくれました!イラクへの自衛隊派遣については、いろいろな意見があると思いますが、私は、なぜ今自衛隊を海外に派遣するのか、その議論がしっかりとなされないまま、派遣することはまずいと考えているんです。そして、何かしらの意思表示をしていく必要があると思い、このピースウォークの呼びかけ人の1人になりました。
ピースウォークをしたからすぐにどうこうなると思っているわけではないのですが、集まってくださった200人の方がそれぞれに意思表示をする機会になっていたのであれば、とても嬉しく思います。
2/14
湘南西支部成年後見制度を学ぶ集い参加、自治基本条例講演会参加
社会福祉士会の主催の成年後見制度の勉強会は、本当にたくさんの人が参加していました。180人くらいでしょうか。最近、成年後見制度について、まちのなかの関心が高まってきていることを実感してます。私は、成年後見制度を当たり前の権利として使えるようにしていきたいと考えているので、制度そのものの関心の高さを裏付ける今日のような勉強会は、本当に嬉しいです。
来年、平塚市は、生活が厳しくて信頼できる身寄りのない方が成年後見制度を利用する場合に限って、金銭的な支援をすることにしているんです。また、制度についの相談窓口を設けることを予定しているとも聞いています。
夜は、洋服を買いに行きました。中央郵便局の近くに「Juice」というセレクトショップにです。かわいい洋服や雑貨が置いてあるんで、たまに買いに行きます。このjuiceには、社会福祉施設「工房絵」に通う障害を持つ人がつくったアクセサリーが売られています。気にいってイヤリング(写真)も買ってきました。かわいいでしょう?
juiceのように、同じまちのなかで暮らす障害を持った人の商品を販売するというのは、個人の商店だからこそできることで、大手の販売店ではまずやらないことだと思うんです。そして、何がいいって、ことさらに、「障害者が作ったんだ」とは言わずに、おしゃれな輸入雑貨なんかと一緒に、同じように販売していることです。来週の火曜日に工房絵に取材に行ってきます。
2/13
定例会議案説明、各派代表者会議、ラスカトイレメンテナンス会議参加、土地利用についてヒアリング
今日、3月議会で市長(市)から提案される内容についての説明があり、来年度の当初予算の概要がでました。一般会計で、814億8千万円、特別会計(競輪事業・下水道事業などなど)、市民病院にかかるお金などすべても含めると、1723億5183万9千円です。前年度対比、4.5パーセントの増です。この膨大なお金の具体的な使い道についての説明が来週18日と19日の2日間にわたってされます。どのような事業にどのくらいの予算が組まれているのかを、各担当部から知らされるわけです。
これだけたくさんのお金が使われるのに、具体的な事業計画とその予算について資料をもらって説明を聞き終えてから、議会の発言通告〆切の25日まで6日間しかないんです。委員会の審議まではまだ時間がありますが、議員が問題を精査して考えるための時間をもう少しとるために、少しでも早く予算説明会を開くべきなんじゃないかと思います。
2/12 3月議会に向けて、江口事務所でミーティング
昨日の日記で今週の土曜日に自治基本条例についての市主催の講演会が開かれることを書きましたが、平塚市は、この自治基本条例を市民と一緒につくっていくことにしています。
まちづくりの「憲法」ともいえるこのルールづくりをすすめるにあたって、どのような内容のものを盛り込んでいくのかを検討する、その段階から市民に参加してもらうことにしているんです。
市は、2月14日の講演会の後、その策定にかかわる人を公募することにしています。30名程度の市民を策定メンバーとして考えているんだそうです。
30人の人が集まって、その人たちみんなが意見をそれぞれに主張したら、すごいだろうなー。東京の国分寺市では、今まちづくり条例の策定が市民参加ですすんでいるんですけど、この条例策定の担当職員の人が、こんなことを言っていた。「策定に参加してくれた市民の議論が白熱してね、喧嘩寸前ということあったなぁ。でも何回も繰り返し議論を重ねるうちに次第に方向性が出て、1つに集約されてきたね」と話していました。
国分寺市は、市役所の中の一室にコーヒーメーカーを置いて、まちづくり条例策定のための専用ルームをつくったと聞いています。平塚はどんなふうになるのかな。「我こそは!」と思う人は、策定メンバーに立候補してみてはどうでしょう?
もうすぐ、3月議会が始まります。初日は今月23日。議会が始まると忙しさがヒートアップしてくるんです。来年度の予算を審議する3月議会だということもあって、なんだか今から緊張ぎみです。
2/11
まちづくりサロン(ひらつか市民自治ネットワーク主催)参加
平塚市は、自治基本条例というのをつくろうとしています。自治基本条例というのは何かというと、まちづくりの憲法のようなものです。「自分たち」でまちを「治める」ための「基本的」なルール。
大和市では、この自治基本条例の策定がすすんでいて、なんと16歳以上(!)の市民による住民投票の実施がこのなかに盛り込まれることになっています。今週の14日には、自治基本条例について平塚市主催の講演会が予定されています。ご都合がつく方は、ぜひ参加してみてください。私も参加する予定です。
2/9 社会教育課に話を聞きにいく、ピースウォーク打ち合わせ、事務所にて仕事
午前中は、社会教育課へ明治期の洋館、「水交社」の保存活用についての方針を聞きに行きました。私は「水交社」の保存と活用の提案を昨年の6月議会で提案をしたこともあって、今後の市としての考え方や方針を伺いに行ってきたんです。
最終的な決定は、3月議会を通ってからになると思うのですが、現在、市は、この旧い洋館を国の登録有形文化財として位置づけるために、手続きをしているということでした。
16年度に解体作業を、翌17年度に建設工事することを予定しています。わたしは、このまちに住む人の経験や労力、時間を借りながら、造る過程も大事にしていけたらいいなと思っています。
2/8 神戸から帰って
プロップステーションを見てきました。議会の質問をつくる際も一緒に取り組んでくれる子どもの頃からの友人(本当に貴重なブレインメンバーの1人!)と2 人でです。プロップは六甲アイランドの中にあります。
以前は、住友信託が所有(現在は神戸市所有)していたビルの6階がプロップの本拠地です。ロケーション抜群。広い、明るい。最新のパソコンが20台ずらりと並べられていて、取材に訪れた7日のには、障害のある人と地域の方が一緒にグラフィックの授業を受けていました。
ここが社会福祉法人だなんて、誰が思うだろう。どこからどうみても、会社のオフィスといった感じ。プロップはこの六甲アイランドのオフィスを拠点にして、全国にいる在宅の障害を持つ方とバーチャルにつながり、メーリングリストなどを使って、仕事の連絡を取り合うのだという。
驚くことに、このオフィス、広さが70坪もあるのに、プロップは、タダで借りている。現在は、神戸市が所有しているから、市からの家賃補助の代わりに、タダなのかと思ったら、そうではない。なんでも前のオーナーである住友信託の子会社の社長の息子さんが重度な障害を持っていて、プロップの活動を応援するために、無償で貸し出していたんだそうだ。で、住友信託がこのビルを手放し、神戸市に移管したあとも、引き続きタダで借りている。
ナミねぇは、「善意ではなくて、先行投資だと思ってください。この見返りは必ずあなたにかえってくる!」と言って回って、企業からの支援を集めているんだという。このオフィスもその営業活動の成果。
ナミねぇは、ばっちりとお化粧したあでやかな笑顔で、めちゃくちゃ人懐っこく笑う。テンポのいい関西弁とぽんぽんと飛び出るキーワードは、話しを聞く人をぐっとひきつけ、離さない。楽しませる。元気にさせる。この営業トークと明確なミッションが多くの企業や行政、政治家を巻き込んでいくことができる秘訣だ。
この明確なミッションとは、「障害者を納税者に!障害者を納税者にできる日本にしよう」というものだ。私は、最初にこのスローガンを聞いたとき、ホントにたまげた。福祉の現場の環境をいかに高めるかを考えるとき、私の頭をよぎるのがいつも補助金の額なんです。
国からいくら出ているのか、県や市はいくら出しているのか?地域の作業所を取材するときも、私は、当たり前のように、「全額で年間補助金はいくらですか?」とスタッフの方に質問していたんです。
ナミねぇは、こういう。非常に手厳しい。「わたしは、自分の子どもが重度の障害児だから、福祉の現場をいやっというほど見てきた。福祉の世界は、”暗い”、”正しい・せねばならないと思っている”、”障害の種類の別によって理解しあえない”という弱点を持っている。補助金という小さなパイを取りあうために、いかに障害が重いかを競いあってしまう。これは不幸競争よ。わたしはこのすべての弱点の逆をしようと思った。
福祉の現場に求められるのは、ホスピタリティーなんです。私は、障害者が自立して生きていけるようにしたい、というミッションを明確に打ち出して、その協力を求める。そのために必要なのは、支援企業やボランティアが、プロップに関わることで、いかに気持ちよくなってもらうかなの。そうじゃないと誰も協力しないでしょう?いままでの福祉の現場は、何か物を作っても、当たり前のようにクオリティーが低かったり、買う人の気持ちなんてどうでもよかった。”この子たちはこんなに大変だからかわいそうだから買ってください”というスタンスだった。
だって考えてもごらんなさいよ、300万円あったら、有限会社ができるのよ。そして人はそれを原資に必死に金を儲けようとするわけじゃない。福祉の現場には、毎年毎年膨大な額の補助金がおりる。作業所に毎年1000万円つぎこんでいても、その場にその仕事のプロはいない。これだけ世の中とかけ離れていたら、一般の人はなかなか近寄りがたいわ」と。
ナミねぇの言葉は、福祉の現場を知る人を驚かせる。強い反発を感じる人もいるだろうと思う。また、「ナミねぇはすごいから、だからできるだけで、そんなに物事は簡単じゃない」、と思う人も当然いるだろうと思う。実は、私もそう思っていた。でもナミねぇは、こうも続ける。
「足りないところを埋めてもらおうとするだけではどうしても人はいやしくなってしまう。そうじゃない。弱者を減らすことこそが福祉。よく、プロップの支部をつくらないのかといわれるけど、そうではない。プロップのやり方を拡げようとおもっているんじゃなくて、ミッションだけが飛んでいけばいいと思っている。その土地の人がその土地のスピードに合わせて、ミッションを果たしていけばいい。全国にナミねぇがいたら、うるそうて、かなわんわ。」
現在、プロップでは、「チャレンジド クリエイティブ プロジェクト」というのを行っている。これは、兵庫県・神戸市、兵庫県内の40の作業所、通販の「フェリシモ」という企業、それにプロップとが組むプロジェクトだ。作業所の手作りのクッキーや小物を企業のノウハウを上手に生かしブランディングして、カタログ販売を実際に行っています。和歌山県や岩手県でもこのプロジェクトがすすんでいます。
このプロジェクトは、単に通販を使って障害者がつくったものを売り出すというだけではない。補助金を出しても出しても、そこが働く場にならなかったのは、なぜなのか、行政も一緒に考える場になっているんです。
最後にナミねぇの名文句をもう1つ紹介して終わりにしたいと思います。
「1人が変わるだけじゃ変わらない。だけど、1人が変わらないと始まらない。」