祖母井秀隆氏(元Jリーグジェフ市原のGM)講演会



9/25(金)に長野県泰阜村(やすおかむら)で祖母井秀隆氏(元Jリーグジェフ市原のGM)の講演会「老人になってもスポーツを楽しみませんか?~日本を代表するプロGMが提案する新しい地域クラブとは~」が開かれました。この企画の言い出しっぺの一人だった私は司会をさせていただきました。その時の講演会の様子をツイキャスでご覧いただけます。
 

祖母井秀隆さんは、日本代表を率いたイビチャ・オシムをはじめ、ヨーロッパの名だたる監督を招聘し、日本のサッカー業界を代表する辣腕GMとして日本のプロサッカーの強化育成に大きな影響力を与えてきた方です。その彼が今、千葉県の市原市にある老人ホームで子どもたちのためのスポーツクラブをやっています。
サッカー業界で超有名な祖母井さんですが、スポーツクラブで子どもたちとやっているのは、サッカーじゃなんです。その日、何をするか、したいかを子どもに尋ねることもあるそうで、時にはオセロゲームをしたり、新聞紙をできるだけ小さく折畳んでそれをまた大急ぎで開いたり、そんな体を使ったゲームをしたりもするそうです。「子どもたちとスポーツするとき、私にはイメージがあるが、こうすべき、と言葉で言えるものではない」と祖母井さんはおっしゃっていました。
 

私が理解したところだけど、祖母井さんがやっているのは、スポーツを通して行うセラピーなんじゃないか。子どもの心身の変化を祖母井さんがうけとめ、子どもは祖母井さんの「承認」を力にして自分の身体に向き合う。新しい動きをおこす。それをまた祖母井さんが受け止める。そうやってコミュニケーションを重ねる。子どもの持つエネルギーを引き出していく。そのエネルギーは、他の子どもたちとの間でも相互に影響しあう。創発的なエネルギーが満ちる。そういう場。これが祖母井さんのつくるスポーツクラブなんだな。こんなすごいのが、老人ホームの敷地内にあるグランドで行われるとなれば、これって、世代を超えて繰り広げられるスポーツセラピー、だよねぇ。

そうか分かった!と講演の司会をしながら私は思ったね。祖母さんはそうやって世界中のプロサッカー選手を育ててきたのか。祖母井さんはこんなふうにも言ってました。「ご高齢になって感覚を削ぎ落とすようなスポーツをやってほしくないです。またそういうスポーツの観戦もしてほしくないんです」と。すごく創発的なエネルギーに満ちた講演会でした。