新型コロナウイルス感染症の検査が進まない理由を考える

暑いです!今日22日土曜日は、昼から阿部知子衆議院議員の定例の藤沢駅での街頭活動に行きました。江口もマイクで話しさせていただきました。傍らで議員の街頭演説を聴いていて「あ、そうか!」と思いました。

阿部知子衆議院議員と 藤沢駅南口にて


阿部議員が今日の演説で話していたことは、新型コロナウイルス感染症の検査を渋り、病いの実態をちゃんと見ようとしないという国の姿勢は、この国がハンセン病患者に対して行った事と共通しているという話しでした。

ハンセン病は、明治40年(1907年)から平成8年(1996年)までの90年間という長い期間に渡って、強制隔離と患者撲滅政策の対象でした。明治40年の時点でハンセン病の原因となるらい菌は極めて感染力が弱いことがわかっていましたし、1943年にはプロミンという特効薬の効果が発表され速やかに治癒できる病気になっていたわけですが、そうであるにもかかわらず、日本では20世紀に渡って一貫して絶対的終身強制隔離・患者撲滅政策がとられ続けました。

このことによって、ハンセン病に対する間違った差別が社会全体に根強く残るようになりました。患者たちは、社会から隔絶され家族をなくし、恋人をなくし、ふるさとを奪われました。

今も全国には療養所が15箇所あります。子どもの時分に入所した方が、80歳、90歳とご高齢になった今もそこで暮らし続けておられます。江口は、数年前から阿部議員と全国のハンセン病療養施設を訪ねる旅を続けています。写真⬇︎は、昨年暮れに熊本にある国立療養所「菊池恵楓園(きくちけいふうえん)」を訪ねたときのものです。菊池恵楓園には元患者さんたちによる絵画サークル「金陽会」があります。その代表である吉山安彦さんがメンバーの作品を保存してきています。彼は今も絵を描き続け、最近になってから画集も出しました。写真は吉山さんとボランティアで絵画の調査と収蔵を行ってきている元熊本市現代美術館の学芸員だった蔵座江美さん(写真右)です。吉山さんは17歳でハンセン病療養所に入所し、今も療養所の中で暮らしておられます。関連記事がこちらに。

吉山さんが出版された画集について聴き取りをする阿部議員(写真左) 2019年12月菊池恵楓園

翻って、新型コロナ感染症では、医療や保健所がパンクするといけない、職員を疲弊させてはいけない、施設が足りない、そうした理由から検査がなかなか進まない。検査までの「道のり」が長くその仕組みがわかりにくいままなので検査数が増えていきません。平塚市では税金を使って検査を受けた人の全体数すら把握できていません。

こうした病いの実態をきちんと把握しようとしない姿勢が、ハンセン病強制隔離政策という人権侵害を生んだ背景「病いの実態を見ない」と共通しているというのが阿部議員の指摘でした。そうだな。これはヤバいことなんだ。そう思って聞いていました。

※明日23日(日)13 時から14時は、江口の週末まちかど市議会報告会を予定してます。場所は平塚駅南口です。雨がひどいようならば中止にします。