まちかどから政治がかわる 年始は3日から街頭に立ちました

年明け初めてのまちかど市議会報告会は3日でした。陽当たりよくてぽかぽかでした。正月のこの穏やかな陽射しのように穏やかな一年でありますように。災害の少ない一年でありますように。

話しかけてくださる方があって嬉しい。足が痛くてねとおっしゃっる女性もわざわざ足を止めてくださった。市長選があるのは知っていたけど市議会議員も選挙なんだね知らなかったと言われた。そうなんですよ。今年は4月に選挙です。

まちかどに立つのを再開させて一年です。癌になってからやめていた街頭活動でしたが、一年間やって、陽射しにも寒さにも強くなった気がします。3時間でも平気でしゃべっていられます。笑。基本的に好きなんだよな。批判も賛意もどちらも声をかけてくださるのがありがたかったです。

まちかどから政治が変わる。昨年は、まちの声が政治をかえると実感した一年でした。特に、平塚市立土沢中学校で銃剣道(戦時中竹槍訓練としてやっていたのは銃剣道だ)を教えていた問題でそう感じました。同校では平成27年度から体育の授業で銃剣道を教えていました。全国でも平塚だけでした。それが、昨年10月末、取りやめられることが決まりました。市民のみなさんのおかげです。

(写真は昨年秋)

当初から私は反対してましたが、議会のなかや学校長に直談判するだけではどうにもなりませんでした。銃剣道を古来から伝わる武道で今は現代スポーツだとキッパリ言い切るので、そんなわけないだろうとそう思いながらも、反対するこちらの方がすこしおかしいんだろうか?と思うほどでした。

なので、みんなに意見を聞きたかった。どう思いますかと。そこで街頭シールアンケートをやりました。私は銃剣道で使う木銃を持って街頭に立ちました。こんな物騒な棒を持って立って警察に捕まりでもしたらどうしよう。そんなことが一瞬頭をよぎりました。それほど物騒なんですよ木銃って。一緒に友人や同僚の端文昭市議が立ってくれました。昨年9月のことです。それから毎週週末に木銃持って街頭に立ちました。

忘れられないのが駅南口での中学生の言葉です。その男の子は銃剣道反対にシールを貼ったあと、一旦帰りかけてまた戻ってきて私にこう言いました。「僕たちには何も聞かれなかった。これは大人には分からないと思う」と。当事者にこそきけ。彼は、穏やかに言葉を選んで、そう主張したんだと思います。

またこの問題については、元自衛官の方々もとても強い関心を持ってくださいました。元陸上自衛隊だという彼は、「私たちは職業として命がけで銃剣道を訓練をした。銃剣格闘というんだ。なぜいまそれを義務教育でやるのか。やるなら自衛官だった私を説得してからにしてほしい」とおっしゃって、学校や教育委員会に直接抗議してくれました。この他にも市民の方が粘り強く動いていました。署名活動や教育委員会への請願活動、情報公開請求はとても大きな力でした。

これは後日談ですが、江口の友人は赴任先のバーレーンでNHKニュースを見て、平塚の中学で銃剣道を教えているということを知ったそうです。この友人に「江口、いったいなんでまた平塚で銃剣道なんか教えることになったの?」と聞かれました。とても不思議そうでした。国際的に見ても、戦時下に軍事教練として教えていた銃剣道をいままたこどもに教えているだなんて、とんでもない話しです。

銃剣道の話しに限らずどんな政治課題でも政治家の手元だけにあるうちは何も変わらないんだと思います。なぜなら政治はコミュニケーションのアートだから。こう言ったのは東大の安冨歩教授ですが、みんなの手のなかの政治課題がつながりあっていき、それが形を伴うまでに熟したときポンとかわる。私は政治家として議論を膨らませる場づくりになれたらと思って毎週末街頭に立っています。「まちかど市議会報告会」とか勝手に命名して。とてもささやかな報告会ですが。

まさかこんなに戦争の匂いがする時代がくるとはというのが正直な思いです。銃剣道には戦争の匂いしかしなかった。戦争のない平和な社会にするには、一人ひとりが政治を語るしかないと思います。自分の思いを自由に語れる社会であって欲しい。ゆるやかに繋がっていきましょう。