全国でただひとつ 銃剣道を中学校で導入


平塚市立土沢中学校では保健体育の授業で銃剣道を教えています。全国でただひとつここだけです。銃剣道は木銃と呼ばれる用具で相手の喉元と左胸を突いて勝敗を競う格闘技です。旧日本軍の銃剣道が前進で、今も自衛隊では近接戦闘術として訓練に取り入れられています。競技人口のほとんどが自衛隊員か自衛隊OBです。
写真がその「木銃」です。その名の通り木で出来た「銃」。長さ166センチ。実際に手にするとずっしりと重く妙なリアル感があります。鉄砲っぽいのです。
全国で初めて銃剣道を導入した土沢中学校の授業では、武道の一種目として教えていて、具体的には木銃の構え方や声の出し方、足さばきなどを教えているのだそうです。教育委員会は、攻防はしないので安全だとしています。平成27年度から導入、今年度も来年年明けに実施予定です。
6月に開催された市議会本会議で江口は、銃剣道導入の経緯を教育長に問いました。そもそものきっかけは土沢中の体育教諭が前任校で銃剣道の指導者と知り合い、そのご縁から銃剣道連盟の研修会参加依頼が来て、これに参加したこと。これが平成26年度のこと。翌年、校長の判断で導入を決めています。実にあっさりとしたものです。拍子抜けするくらい。戦後70年余りどこの学校でも実施されていなかった銃剣道の授業が本市で始められたその経緯を聞いて私は、「大人のつきあいが実を結んだんだな」、そう感じました。それにしてもよく分からないのは、なぜ他の様々ある武道ではなく銃剣道とおつきあい、なのか、ということです。
おつきあいは一歩一歩深まるものです。次なる「おつきあい」は何でしょうか。私は教育長に、「外部講師として自衛隊員や自衛隊OBが銃剣道を教えることは制度上可能か」と本会議場で問いました。「可能だ」と答えています。体育の先生に銃剣道の専門家はいません。そうであるならば専門家にきちんと指導してもらおうといった声が出ないとも限りません。「ボランティアで教えるよ」と自衛隊員関係者の方が申し出てくれたとしたら、学校や教育委員会はなんと答えるのでしょうか。江口は引き続きこの問題を注視してまいります。