ツインシティ開発計画地内の養蜂家を訪ねて

市内大神、ツインシティ開発計画地内の養蜂農家を訪ねました
一昨日、私は、市内大神の養蜂農家を訪ねました。平塚市大神で養蜂家があることを知らなかった私は、ぜひ、見学に行かせてほしいとお願いして、行ってきました。ここは、今、平塚市が急ピッチですすめているツインシティ開発の計画地内にあります。
●落合市長が急ピッチですすめるツインシティ開発
この開発計画は、神奈川県と平塚市がすすめ、地元地権者がつくる組合が事業主体になる組合施行方式の区画整理事業です。開発計画の内容は、約70haの農地を潰して、イオンモールと倉庫群をつくる、というもの。
この開発計画にはすでに2億円の税金を使い、今後投入される税金は数百億円とも言われている巨大開発計画です。現計画に反対の地権者も多いのですが、現在、3分の1をすこし超える地権者の賛同と面積要件をクリアしたとして、目下、落合平塚市長は、組合設立認可にむけて法的な事務作業をすすめています。ひとたび組合設立されてしまったら、反対地権者も強制加入させられる仕組みで、農地を手放すことになります。ツインシティ開発計画はこれです。⬇


計画地内を縦に走る道路が国道129号線、写真上が厚木方面。国道の両脇の田畑を潰してイオンモールと倉庫をつくる。
 

●ツインシティ開発がはじまれば農の営みがなくなる
私が尋ねた養蜂農家では、近隣の山の中に養蜂場を持っていて、大神のご自宅や地所で蜂の巣箱をしかけるわけではないということでした。けれども養蜂の作業準備はご自宅の裏庭でしているし、開発計画地内でお米をつくっています。草取りをして水路を整え田畑を守る農の営みがそこにあります。ひとたび、ツインシティ開発が始まれば、この農地は、イオンや倉庫群などに変わるわけですから、代々土地を引き継ぎ、綿々と続いた農の営みは全くなくなります。


蜂の巣が黄金色に輝いていた。蜂の巣をかくはん機に入れ蜜を絞り出す。
開発か、衰退か! 二者択一を迫る議論がいかに貧しいか理解できました
お宅にあげてもらい、古ショウガの蜂蜜漬けを入れた紅茶を出していただきました。鼻風邪をひいていたのですが、これを飲んだら、体がとたんに温まりました。紅茶をいただいた後、改めて伺いました。「ツインシティ計画についてどうお考えですか?」と。
この問いに対して、養蜂農家さんとそのすぐ近くの農家さんは、笑顔でこんなふうに言ったんです。
「まち場の人は、土地の価値が上がって儲かるからいいでしょ?と思うかもね。でも私たちは十分に幸せ。これ以上何もいらないんだよ」「儲け? そんなことより自然のほうが大事さ。そんなことは決まってる。」「田んぼがあればご飯は食べれる。出来たお米を親戚にも友達にもあげらえる。この大神の地も巣箱を置けば、蜂は巣をつくり、蜜をうむ。とても豊かな大地なんだ」。

この言葉を聞いて、思わず涙が出ました。ーー開発か衰退か?、そんな二者択一を迫るかのような議論を、議会も市もしてる。なんというくだらない議論を我々はしているんだろう、、、。開発計画が今まさに潰そうとしているもの、それが何なのか、養蜂家さんの言葉を聞いて、とてもよく理解できました。