ツインシティ開発 「号外チラシ」に思う


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●ツインシティ開発、
ゼネコンパワーで街づくり
今、平塚市は、大神エリアで巨大開発(ツインシティ開発)を押し進めています。田畑をつぶしてコンクリートで埋め、道路を整備して、イオンや倉庫を誘致して、住宅開発をしようとしています。この開発は、地権者らで組合をつくり、ここに投入する税と田畑を宅地に変えることによる差益によってすすめるというもの。この手法は「組合施行の区画整理事業」と呼ばれています。ざっくり言うと、土地をいったんまっさらにして、税金投入して、ゼネコンパワーでゼロから新しい街をつくろうぜ!というもの、です、ね。

●市長、慎重派地権者の家を一軒一軒個別訪問
つい先日、この開発をすすめる組合設立準備会発行の号外チラシをもらいました。正式に組合を設立するための要件が整った、という内容です。昨年から落合市長は、開発に慎重な地権者の家を一軒一軒個別訪問して、説得活動をしていました。活動が功を奏したのでしょうか、法律が求める同意率の基準はクリアした、というわけです。平塚市はこれまで、この同意率を8~9割にまで上げないと、認可申請を受けないとしてきましたので、今後、この点を注視していく必要があります。

●私がツインシティ開発に反対する理由
私は、ゼネコン主導の街に未来はないと思います。
その理由はシンプルです。だって全く魅力的でないから。全国どこにでもあるから。人口減少社会にあって、都心から80キロも離れた平塚で、どこにでもある街をつくっても、選ばれないから。「選ばれない」開発事業に税金を突っ込んだら大変な無駄になるから。ツインシティ開発は新幹線新駅がつくられるのが前提です。新幹線新駅がくるのであれば、それは他とは違う特徴になるかもしれない。でも、それは置いてけぼり。

⬆ 計画地に立つ反対の看板 子どもたちが描いたもの (昨年8月撮影)


⬆ 自然を破壊し眺望が失われることを嘆く 計画予定地にて(昨年8月)

●「最後は金目の問題」にしないために

ツインシティ開発には問題が山積みだ。その内容も手続きにも。突っ込みどころがたくさんある。しかし、だ。一方で、こうしたゼネコン主導開発に反対する時、実は、「ではあなたはどんな街に住みたいのか」という問いが、私たち自身に返ってくる。あなたはどんな街に住みたいのか。どんなふうに暮らして、どう生きたいのか。一人ひとりが自分の人生を見つめ、またそれを同じ地に住む人たちで共有していく過程は、一筋縄ではいかない。たくさんの辛抱がいる。口幅ったい言い方ですが、民主主義が問われてくるんだと思います。
それにしても、やはり思う。呆れるほど民主主義というのはかったるい。でもそこを諦め手放したら、ゼネコンパワーの街を受容することになるわけです。札束で頬を叩かれる。「最後は金目の問題でしょ」と言い放った政治家がいましたけど、その機序は、巨大開発も、原発も、同じなんだろう。
「金目の問題」にしない。そのためには、どういう街に住みたいのか。どういう街を子孫に引き継ぎたいのか。その問いに向き合えた時、闘う道はいくらでもある。単なる闘いじゃない。それが未来への道だと思う。では、私は政治家として何ができるのか。そこが問われている。意気揚々と同意率クリアを伝える号外チラシを見て感じました。これからだ!