全国から視察に 平塚市の自殺対策 

5/11(月)
07:30~11:30   事務処理をする
13:45~14:15   他県の議員のお迎えなど
14:30~17:00   市くらし安全課と市民情報相談課の方から話しを聴く
17:30~20:00   市民と議員の学習会 今、求められている自殺対策は?


今日は、地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会の
メンバーが平塚市に視察に来てくれました。
参加者は、
福岡県 久留米市 ふじばやし詠子議員
福岡県 久留米市 永松千枝議員
大阪府 高槻市  川口洋一議員
兵庫県 芦屋市  中島  かおり議員
宮城県 仙台市  福島かずえ議員
埼玉県 鴻巣市  野本恵司議員
神奈川県 大磯町 大坂聖子さん
地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会は、
代表は、川口洋一議員
副代表が、中島かおり議員と江口です。
それほど人数は多くないのですが、
3か月に1回くらいのペースで学習会を開いたりして、
活動を続けてきています。
もうすぐ、平塚市の自殺対策条例
「平塚市民のこころと命を守る条例」が施行してから
一年がたちます。
条例の制定は、平成19年12月、施行が20年7月です。
この条例施行後、平塚市がどんな取り組みを
してきているのかを、視察に来たわけです。

平塚市の自殺対策は、条例制定を期に、
本格的にスタートしたわけですが、
市の担当の方が、とても熱心に取り組んでくださいました。
まさにゼロからのスタートで、
担当の方のプレッシャーは、
とても大きかったことと推察します。
平塚市の場合は、自殺の問題を、
市民部のくらし安全課というところで担当しています。
昨年度に重点的に取り組んできた内容は、
① 普及経過津活動
② 社会的な取り組み体制の整備
です。
● 普及啓発活動
昨年の9月に、市役所の2回に横断幕を掲示しています。
毎年、9月は、自殺予防週間ですよね。

また、昨年9月2日~28日まで、
市内の4図書館に、
「こころと命のサポートのための本」のコーナー
を設置しています。命の大切さが書かれた
70冊を並べて、貸出しています。

さらに、昨年11月15日には、
命の大切さを考える映画会を開催して、
「風のダドュ ~いのちのひびき」を上映しています。
● 普及活動の「”命を大切に路線”」について
今日の視察のなかで、市の担当の方の話しを聴いたあと、
久留米市の市議会議員の藤林さんが、この普及啓発活動に
ついて質問されました。
藤林議員:
 「普及啓発活動に力を入れてきた、
ということでした。内容は、”命を大切に”という
ものですよね。訴えの内容を、この”路線”にしたのは、
なぜ?」
担当の方:
 「自殺という言葉をタブーにしたくないが、
受け入れられない人もいた。まずは、
”命を大切に”というところから踏み出して、
次のステップにすすみたいと考えた」
藤林議員:
 「”命を大切に”というキーワードを
行政が訴えるということは、遺族や未遂者の気持を
逆なですることにもなるのではないか。
遺族の方たちを遠ざけてしまうかもしれない。
”命を大切にしましょう”というスローガンは、
問題の本質に迫れない。
本質と向き合うことを遠ざけてしまう。
むしろ、大切なのは、”隣人として私たちも生きていきましょう”
という気持ちを、みなに持ってもらうことではないか」
江口は、藤林議員のこの指摘は、
とても重要だと思いました。
● 夜遅くまで議論が続きました
午後の議員たちによる視察が終わったあと、
場所を勤労会館に変えて、
夕方5時半から8時まで、
今、地域でどんな対策が求められているのか、
話し合いました。
厳しいテーマにも関わらず、
市民の方も参加してくださいました。
また、勤務時間外であるにもかかわらず、
市の職員の方も大勢参加してくださいました。
自殺対策の条例制定に尽力くださった
もと平塚市議会事務局さんも出席くださいました。
市民の方、職員、議員を交えて、
熱心に話し合いをしました。
やはり、大切なのは、
生きやすい環境をどうつくるか、だね、と
そんな話しにいきつきました。
そのなかで、
自助グループ「AA」「EA」の重要さを指摘する声もありました。
水際での闘いだけでなく、
同じ課題を抱えた当事者どうしで
つながれる場が大事ですよね。
(平塚から一番近い「EA」の会場は、
藤沢にあります。)
出席した議員からは、
「自殺というもっとも厳しい状況を回避するためには、
自殺の問題だけに焦点をあてるべきではない。
政治家の仕事は、自殺をうまないような社会をつくることだ。
経済や労働の問題でもある」という発言もありました。