ごみ焼却炉を見てきました

3/18(水)
07:30~12:00   事務処理と議案の読み込みなど
13:30~14:30   平塚市の大神にあるごみ焼却炉を見にいく
14:40~16:00   炉を一緒に見学した市民の方と話し合い
20:00~03:00   書類作成など
●ごみ焼却炉のトラブル
平塚市のごみ焼却炉のトラブル
の報告は、市のHPにも出ています。

平塚市のごみ焼却炉は、大神にあって、
下の写真にある白い建物の中に、
炉が3つあります。(98トン/日×3炉)
炉のタイプは、流動床式焼却炉というもので、
石川島播磨重工業株式会社が設計施工しています。

このうち一つの(1号炉)の排出ガスから
ダイオキシン数値が、1.3ng
平塚市の炉の規模の排出基準は1.0ngです。
基準値を超えてしまったので、
3月10日の午後4時ごろに炉の運転を停止しています。
翌日11日の午後3時ごろに3号炉も、
ダイオキシンが発生しているといけないので、
検査結果が判明するまでの間、
炉を停止させた、ということでした。

2号炉は、ダイオキシン数値が低く、
順調に動いています。この炉で、
1日80トンのごみを燃やしています。
しかし、これでは、焼却がおいつきませんので、
近隣自治体に1日200トンほどもっていき、焼却してもらっています。
ですが、ピットの中には、1号炉が停止した3月10日から
近隣自治体に焼却をお願いするまでの3月16日までの
間に、たまったごみが積み上げられていました。
このごみの山の量は、全部で2000トンほどあるということでした。

この山積みのごみは、ピットから外に出すことができないので、
稼働している2号炉で、徐々に燃やしていくということでした。
●昨日、ごみピットの様子を見てきました


(上の写真の右側が、各炉のごみの受け入れ口(投入ホッパ)です。)
昨日、同僚議員の厚見利子さんと市民の方と一緒に
炉の様子を見てきました。
普段、焼却を見学するときは、
ガラスごしにピットを見るのですが、
昨日は、中に入れてもらいました。
すごい埃でした。やはり強い匂いです。
●ごみはどうやって燃やされているか、というと…。
ピットの中のごみは、ごみクレーンの巨大な「手」で
ごみが均質になるようにかきまぜられます。
ごみの中には、ビニールだとか生ごみだとか
いろんなものが入っていますが、焼却温度を
なるべく一定にするために、ごみをかきまぜるんです。
その上で、受け入れ口(投入ホッパ)に入れていきます。
昨日は、2号炉だけしか稼働していませんでしたから、
写真の真ん中の受け入れ口にだけごみが投入されていました。
●「なぜダイオキシンが出たのか?」
昨日の見学時には、所長が対応してくれて、
ごみピットの見学のあとに説明をしてもらいました。
以下が、昨日のやり取りの大まかなメモです。
江口ら:「なぜ、ダイオキシンが出たでしょうか?」
所長ーーー「まだ、わからない。運転管理に問題はない」
     「メーカーに来てもらって詳細を調べている」
「ダイオキシンはどのくらいの頻度で測定するのですか?」
ーーー「連続測定はしていない。年に4回測定している。」
   「ダイオキシン測定は法的には年に1回だけでよい」
「ダイオキシン数値が基準値を超えた今回の検査は、
県の検査だったのか?飛び入りの検査だったのですか?」
ーーー「飛び入りではない。」 
 
「どうやって測定するのですか?」
ーーー「バグフィルターから出てきたガスを4時間吸引する。
    吸引したガスを液体の中にくぐらせて液体を測定事業社に
    もっていき、測定する。一連の作業は、測定業者が行う」
「バグフィルターって、どういうものですか?」
ーーー「イメージ的には、布の袋。この袋をガスが通ると、きれいになる。
    直径が15センチくらいの筒状の袋で、長さが5~6mある。
    この筒状の布製袋が、576本つるさげられている。
    袋の中と外の圧力差を測定して、やぶれていないかどうか調べる。
    バグフィルターの交換は、3年から5年のサイクルで取り換えると
    いいといわれている。問題の1号炉のバグフィルターは、
    今から2年半前の平成18年8月に交換した」
「運転管理には問題がないということでしたが・・・・」
ーーー「ダイオキシン発生を防ぐために重要なのは、燃焼管理だ。
    塩ビなどを入れると発生するといわれているが、適切な
    温度で燃やせば大丈夫だ。今回、ダイオキシンが発生した
    問題の1号炉も、炉内の温度が800度以下のときもあるが、
    炉出口付近で800度を超えているのがデータでもわかるので、
    これについては、問題が見当たらない」
「現在、平塚市のごみ焼却施設では何人の方が働いているのですか?
ーーー「全員で32人だ」
「焼却炉の運転管理は、専門性の高い技術職でしょうね・・・。」
ーーー「炉は、本来は、何十年ももつ設計になっている、
    しかし平塚市の炉(昭和63年3月竣工)は、急激に劣化している。
    オーバーワークで稼働していた時代があったためだ。
    こうした事情があるので、運転管理には技術を要する」
「トラブルが起きた1号炉の今後の見通しは?」
ーーー「バグフィルターを交換すれば、ダイオキシン数値が
    下がることは確実だ。ただ金がかかるが」
素朴な疑問から質問をさせていただきました。
まだ、理解が足りないのですが、上記のような
ことを所長からうかがってきました。
●9000万円の補正予算を組みます
この一連のごみ焼却炉のトラブルで、
急きょ、補正予算でお金を工面することになりました。
総額で9000万円です。この9000万円は、
3月24日~31日までにかかる費用です。
9000万円は、市の貯金である財政調整基金の
積立てを取りくずして支出します。
4月以降にかかる経費は、来年度予算で
対応していく、ということでした。
補正予算9000万円の内訳は、
①近隣自治体でごみを焼却してもらって、
焼却することによって出てくる灰の処理や
これにかかる運搬費用などに、5200万円。
②ダイオキシンが基準値を超えてしまった
1号炉の緊急点検業務委託料に、3800万円。
近隣自治体にごみ焼却を依頼すると、
1トンあたり2万円かかります。
昨日の時点では、一日に200トンのごみを
近隣自治体で処理してもらっているということでしたから、
一日に400万の税金がかかるということでした。