全国で初めて 自殺対策の条例がつくられようとしています

11/20(火)
07:00~08:00    資料の読み込み
09:20~09:40    条例の賛成者としてサインするなど
10:00~11:00    議会運営委員会傍聴
11:20~12:00    会派代表者会議
12:10~12:15    黒部議員と一緒に大蔵市長に条例提案したことを報告に行く
12:30~13:00    条例について記者会見をする
13:30~14:00    平塚警察署へ信号機設置の要望書を出しにいく
15:00~16:00    都市政策部長と市民の方との話し合いに同席
16:10~16:15    市民の方とお話する
16:15~16:30    事務処理をする
16:30~17:00    議会事務局長とお話する
17:20~18:00    メール送信など事務処理をする
18:00~19:00    印刷屋さんへ資料を出しにいく
全国で初めて
自殺対策の条例が平塚でつくられようとしてます。
今日の議会運営委員会に条例が提案されました。
条例の名称は、「平塚市民のこころと命を守る条例」です。
平塚では、議員定数の削減などを除くと
はじめての議員立法になります。
条例の提案者は、自民党会派「平塚クラブ」の
黒部栄三議員、須藤量久議員、伊藤裕議員の
3人です。
賛成者として、すべての会派の団長さんと
無所属の議員の方が名前を連ねています。
江口も賛成者として名前を書きました。
この条例は、
12月14日の環境厚生常任委員会で
審議されたあと、
12月20日の12月議会の最終日に
議決されるかどうか、決まります。
今日の昼にやった記者会見では、
落合議長、提案者の黒部栄三議員に
江口も同席させてもらいました。
記者会見には、テレビやたくさんの
新聞社がきていました。

記者会見では、記者から、
条例の制定過程は?とか、
条例の実効性は?具体的に何をするの?とか
議員立法だけど市長の大蔵さんは承知しているのか?
条例のなかに「財政上の措置」とあるがどういうことか?
といったことを尋ねられました。

明日の朝、少し報道されるかもしれません。
見てみてください。
江口は、自殺対策をなんとかすすめて
いきたいと思っています。
自殺対策というと、ぴんと来ないかも
しれませんが、こないだこのサイトに書いた
仙台の自殺遺族の会「藍の会」
が主催する「分かち合いの会」
は、すぐれた自殺予防になっています。
自殺の問題の当事者である遺族が、
同じように家族の自殺に苦しむ人が、
心を強くできるように応援しているのです。
「藍の会」の自死遺族の活動は、
仙台市が主催していた自殺についての
フォーラムや学習会がきっかけでした。
仙台市の「自殺は減らしていこう」という
普及啓発活動の取組みが、
大きな成果をつくりつつあることを知りました。
自殺対策において、行政が積極的に
「自殺は個人の問題じゃない。社会問題だ」と
普及啓発活動することが
まずは、重要です。
「自殺する人は、こんなサインを出す。
放っておいたらダメだ」と、広報して、
せっかく来た相談者をタライ回しにしない相談体制の整備や
電話相談の整備などが必要だと考えています。
江口は、今年の4月末の選挙が終わったあと、
「自殺対策を総合的にすすめていくために、
議員立法で条例をつくったらどうか」と
いう貴重なアドバイスをもらいました。
すぐに、「それはいい!絶対にやりたい」
と思って、6月から準備を始めました。
まず、
「法令用語の常識」(日本評論社 林修三著)
「法令作成の常識」(同上)
「法令解釈の常識」(同上)
の3冊を、家族が探してきてくれて、買ってよみました。
(この本は1冊1200円と安いのですが
とても勉強になりました。お勧めですよ)

「そもそも法律ってなんだ??」
「法律と条例の関係って、どうなっているんだ?」と
わからないだらけのところから条例作成がスタートしました。
昨年の6月に自殺対策基本法という法律ができましたし、
これに基づく大綱が今年、国がつくったので、
法と大綱をもとに、真白な紙に条例を書きだしました。
なかなか前にすすみませんでした。
やってみると自分の勉強不足をいちいち感じるので、
気の重い作業でした。
「えいやっ」という感じで「江口試案」をつくって、
長年、市の法務担当にいらした議会事務局の
職員の方に見ていただきながら、
「試案」を修正していきました。
7月の末には、地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会の
(代表 横須賀市の藤野英明議員)総会・学習会の場で、
内閣府の自殺対策推進室参事官の高橋広幸さんにも
読んでいただきました。
同じ場所で地方議員有志の会のメンバーからアドバイスをもらっています。
9月議会のころから、条例試案をもって、
議員の各会派の代表の方のところへ行って、
「自殺対策の条例をつくりたいと思っています。
どうぞ条例案を見てください。ご意見ください」
とお願いしてまわりました。
おひとりづつ議員のところへ行って説明する、
これが、最初、とても力のいることでした。
議員になってから初めての挑戦でした。
議員の方の反応は最初、いろいろでした。
当然だとは思いますが、
あまりピンとこないといった方もいらっしゃいました。
「マスコミでは騒がれているけれど、
自殺って、身近に思う機会がない」
とおっしゃる方もありました。
しかし、議員の中には、親族の方を自殺で亡くしていたり、
親しい人を自殺で亡くしている方が何人もいました。
その方たちは、
「年間に、全国で3万人も自殺するなんて、
普通じゃないよ。深刻な問題だ。できることは
少ないかもしれないけれど、やれることをやろう」と、
条例の内容について、具体的に何度も意見を出してくれて、
条例内容を一緒につめてくださいました。
忙しいなか、法律も大綱も読み込んで、
一緒に考えてくれました。
「自殺対策にプロなんていないよ。
医療の専門家頼みじゃだめだ。
市民も議員も行政もみんなで力をつけて、
みんなで自殺対策を取り組んでいくんだ。
行政まかせでもだめだ。
そうした意味を盛り込んだ条例
でないと、つくる意味がない。」と
おっしゃる自民党の議員の方もいました。
この意見は、仙台市の自死遺族の「藍の会」
代表の田中幸子さんとまったく同じものでした。
このご意見をうけて、平塚の条例
では、基本理念(第2条)の4項に、
「自殺対策は、市民が共に支えあう地域福祉の
増進という観点を踏まえ、地域の状況に応じた
きめ細かな施策として実施されなければならない」

という文言を入れています。
これは、自殺対策基本法にはない
平塚市独自の理念です。
また、議員の中には、
「命の問題はなによりも重大だよ。俺は応援するよ」と
すぐに応援を勝手出てくれた方もいました。
公明党の方も早い段階から、
「いい条例だよ。がんばろう」と言っていました。
「平塚クラブ」の方も
公明党の方も、「湘南民主」の方も、
共産党の方も、「市民派の会」の方も、
無所属の高橋議員、厚見議員も、
もちろん、江口も、
平塚市議会全体の賛成で、
自殺対策の条例を議員立法できた
意義は非常に大きいと思います。
また、無所属の江口にとっては、
大きな会派を含めて議員のところへ行って、
体当たりで話しをすることは、とても勉強になりました。
平塚市議会の議員のすごさを知りました。
条例提案者の黒部栄三議員が、
記者会見のなかで、
「毎年50人も平塚市民が自殺よって
亡くなる。少しでも早く、一人でも
自殺者を減らすために、我々は努力したい」と
おっしゃったのを、隣で江口は、感動して聞きました。
自殺対策のこの条例は、
つくられてからが勝負です。
条例のなかには、
第7条に、「必要な財政上の措置その他の措置をする」
ことを盛り込んでいます。
また、自殺対策会議の設置(第16条)に必要な
人件費はすぐに必要になる経費です。
具体的な取り組みとして、
多重債務等の相談体制の充実など
具体的取組に財政措置を求めていきたいと
江口は考えています。
経済苦でなくなる市民の方は、
病気を苦にして亡くなる方についで多いので、
こうした具体的取組みは不可欠です。
行政や医療機関などだけでなく、
自殺未遂をした方や自死遺族の方たちが
声を出してください。
何が必要なのか。
遺族の方たちは、何を考えているのか。
遺族ではない江口に対して、
「わかったことを言うな」
という批判も当然あると思う。
ぜひ、ご意見をください。
この条例制定が、そうした機会に
なればと思うのです。
大変なことだけど、やりましょう。
江口は、条例をつくる過程で、
その重荷を考えると、途方に暮れることありました。
私は、最初、自殺問題に向き合うことそのものに
葛藤がありました。
勉強をかさねて、遺族の方から話しを聞いて、
江口自身の中にある「自殺に対するタブー視」
を減らすことができています。
条例をつくるなかで、同僚議員から意見をもらって、
気持ちを強くしてきました。
私の親しい方から、
「江口さんが自殺について学ぶことで、
私のなかの認識が変わってきている」といわれました。
みんなが少しづつ力がつけることが、
自殺者を減らすことになると考えています。
江口もがんばります。
一緒にやりましょう。
条例が、12月20日に議決されたあとの話ですが、
条例施行は、来年の7月1日からになります。