みんなで自治体の財政を学ぼう!

10/26 
06:45~08:20 事務処理をする
09:00~12:30 資料とチラシの作成
13:30~16:30 江口事務所の定例会議
16:35~17:30 社会福祉法人工房絵へ打ち合わせ
18:30~19:45 市民の方のお宅へお話を聞きにいく
●みんなで自治体の財政を学ぼう!●
江口は、今年の夏から、市民の方が立ち上げた「自治体財政研究会」という会のお手伝いをさせてもらっています。この会の趣旨は、みんなで財政をわかりやすく学ぼう!というものです。
で、ゆくゆくは、市民が自治体の財政白書をつくろうじゃないか!と息巻いています。写真は、この自治体財政研究会が、10月9日に、地方財政に詳しい都留文化大学の大和田一紘先生をおよびして、開催した財政学習会の様子。すごい熱気でした。
●北海道の夕張市の財政破綻●
北海道の夕張市の財政破綻は、非常にセンセーショナルに報道されました。なぜ夕張市が財政破綻したのか。北海道の炭鉱の町がそれではぜんぜんやっていけなくなってしまい、なんとか町興しをしようと、観光施設を次々たてたが、思うようにお客は入らず…。一度建てた観光施設を維持管理していくために、銀行からお金を一時借入れして、やっとこさまわしていたんだけど、とうとうダメだった、そんなことが原因だと言われていましたよね。
国にも大きな原因があるとも言われています。大和田一紘先生が、この夏、夕張に視察に行っていて、そのお話を聞いたことがあるのですが、「夕張市は議会が機能していない」とおっしゃっていました。「議員が財政を知らないんだ。ちょっと知識があれば、その異常さに気づくはずなんだけど」と言っていました。
●単年度ごとの決算審議●
今年も決算審議が終わりましたが、議会の決算審議というのは、予算審議に比べてあまり時間をかけないのですね。結構、あっさり。で、私も決算審議を、傍聴議員としてやってきたんですが、「なんか私の決算の見方はよくない。不勉強だ」とずっと思ってきていました。
勉強不足にあせるのですが、何がいけないのかよくわからなかった。そんななかで、今年の春先に、先ほど書いた都留文科大学の大和田先生の財政の学習会に参加しました。目からうろこの学習会でした。
●大和田先生の教え●
大和田先生の学習会で、私は、2つの、言ってみればごく当たり前のことの重要さを知りました。
①他市の財政状況と比較すること。
②過去20年を振り返って経年的な視点をもつこと。
そうなんですよ。恥ずかしいことですが、この両方の視点がなかったんです。他市はどうか、バブル経済前とバブル期はどうだったか?バブル崩壊後からはどうなってきているのか?そうした視点が大事だと大和田先生はおっしゃっていました。
単年度ごと、あるいは前年や一昨年と比較するくらいだと、徐々に財政が悪化していても気づかないんです。他市と比較しなきゃ、平塚市の問題点もいいところも見えてこない。相対的に客観的に、財政の状況がきちんとわからないと、「市民のニーズさえ高ければ、借金も辞さない」なんていうことになりかねない。夕張市の議員のことをとやかく言えたものじゃない。もちろん、議員がみんなそんなんじゃないと思う。
だけど、一般論として、政治家である市長や議員って、市民の大きな声やニーズに、NO!っていうのが意外と難しいから、相当しっかりとした財政への目ができていないと、ずるずるやってしまいがちだと思う。これだと、次の世代に多くの借金を残してしまう。実際、全国的に、多くの自治体が多額の借金に困っているわけだ。
●住民の方たちの「監視」●
国には、行政・立法・司法の三権分立がありますけれど、自治体には、司法がないですよね。監査委員とか住民監査請求の制度などはあるけれど、これはまだまだ不十分だと思う。おまけに、市民の方たちが、あんまり議会に関心がなかったりすると、議員は、「ノビノビ」と、仕事をすることになりがちだと私は思う。
やっぱり、住民の方たちの「監視」って大事だ。いろいろな市民の行政への参画やオンブズマン活動は、行政と議会を「監視」することができる。仮に、行政と議会の両者が、ゆるりゆるりとおかしな方向にすすんでいってしまっても、納税者の視点から厳しく「まった!」がかけらるのは、住民だと思う。議員は、有権者に見られればやっぱり緊張するものです。住民の方の「監査機能」は非常に重要です。
●いまは住民は「蚊帳の外」なんじゃないか●
とかく市民に閉じた議会とその議会を大いに気にする行政です。これでは、納税者である市民がすっかり蚊帳の外です。私は実感としてそんなふうに思っています。それに最近は、この財政難で、市民の方が、「こんなふうにして欲しい」と行政にお願いしても、行政が「そんな金はないよ」と言えばそれだけで引き下がらざるを得ない空気がある。
「金がない」と言われて引き下がってしまってはいけないのは、議員もおんなじだけど、「本当に金がないのか」、「無駄な金はないのか」、「金がないならどうしてそうなってしまったのか」ときちんと突き詰めていかないといけないのですよね。そんなわけで、私は、住民の方が、自治体の財政の知識をつけることって、とっても重要だと考えています。
●東京の多摩地域では住民が「財政白書」をつくる●
東京の多摩地域では、自治体の財政を学ぶ会があちこちのまちで立ち上がり、住民が財政白書をつくっています。多摩市も町田市もあきる野市も狛江市もすばらしい白書をつくりました。面白く学びながら、平塚でも財政白書をみんなでぜひつくりたいです。